数年前に藤田田さんの書籍が復刻したようで、何冊か購入して読みました。
いきなり余談ですが、1997年の18歳になる歳にバイク便を始めました。定期便で回る中の一件に新橋の「藤田商店」がありました。これは藤田田さんの会社です。そのため、大した事ではありませんが何となく縁を感じております。
10代後半からいわゆるビジネス書を読み始めましたが、藤田さんの本はには目が向きませんでした。それはきっと若く無知なために、本が目に入らなかったのだと思います。
しかし色々な知識を得て、立場が欲したのか藤田さんの本に次々と興味が湧いてきました。最初に読んだのは「ユダヤの商法」です。
帯に在る漫画版の絵がアホっぽくで少々気になりますが、内容は商売人にとってはとても大切な事が書いてありました。
要約すれば、約束、時間を徹底して守るということです。他にも子供の教育に関してなど日本とユダヤとの違いを教えてくれます。
曰く、ユダヤ人の教育は、周りを信用しないと教えるようです。そのために幼い子供に厳しい教え方をすると、紹介しています。
とにかく商売人はお金儲けを第一に考え、そのために行動せよとあります。昭和47年に発売ですが、真理というか物事の根本は基本的に不変でるとわかります。
二冊目は「勝てば官軍」です。
こちらは割りと最近の本で96~97年頃が初版のようです。バブル崩壊後、徐々に経済成長を取り戻しつつ在る中で橋本政権が消費税を3%から5%へ上げ、再度日本経済の成長を抑え込むという自縛政策を取る中で、デフレへと完全に落ち込んだ節目の年です。
同書はデフレを行動原理に捉えています。当時、都内で働いていた私にはマクドナルドの展開が思い出されました。新橋の小さな通りを挟んで向かい合うマクドナルドの小さな店舗。価格をハンバーガー100円から更に80円まで下げる。当時は安価になって嬉しい程度に感じていました。その背景にある動きなどは考慮出来ませんでした。本の中では
しかし藤田田さんは失政とデフレでの行動を理解していたからこそ、あの時代で大きく飛躍したのでしょう。
コンピューターによる社会変革やネットに代表される通信革命で大きく変わる未来を予想していたのは、流石というしかありません。本が出版されてから20年以上も経つ今だからこそ、藤田さんの言葉の正しさがよく理解できます。予言が現実にならないと理解できない自分は本当に凡人なのだと、逆説的に痛感します。
同書で明らかになるのは藤田さんの貨幣感です。金本位制というか租税貨幣論の人なので、すべての事象に言えることですが、本や人に絶対はなく、取り入れるべきとそうでない事を自分で嗅ぎ分ける必要があります。
まとめと考察
藤田さんは、商売人は政治に限らす金儲けに関係ない事をするなと解きます。最近の私はこの言葉が身にしみます。当然、悪事を働いて金を儲けろという意味ではなく、お金儲けに腐心しろと言うことです。
面白いのは役に立つなら共産党とでも手を組むと公言している点です。拝金主義者とは言いませんが、彼のような人間が現代の腐った世の中を作り上げたと思えます。ですが一面(例えば商売人として)から見ると極めて正論であり、他方からは拝金主義の極悪人に思えます。
この様に政治と商売を切り分けて、商売人は金儲けだけしていれば良いのだと割り切って自分の持つ力や影響力を都合よく振りかざし使う人間に依って、デフレのみならず米国の属国から抜け出せない現状が在るのだと、私などは考えます。
そう言っても、私のような施工方法は貧乏人のよくあるパターンなのかも知れません。そこでここは一度、藤田さんの考え方を受け入れ、お金儲けに全力を注いでみようと思います。その先にまた違った世界が見えるのか?沢山お金を儲けてから考えてみます。