書籍類

「売上最小化、利益最大化の法則」を紹介

 零細企業の社長に向けた当ブログ。今回紹介する本の著者、木下勝寿さんの会社は「利益規模」が29億円。売上は100億円の会社です。

 なぜ「利益規模」と強調したかは同署を読めばすぐに答えがわかりますので、ぜひ手に取って欲しい良著です。

 まとめというか、この書籍の中で紹介されている内容は「ランチェスター、弱者の戦略」としても著者の方には怒られないと思います。
 ならばランチェスター関連の本を読んでいれば、同書は不要なのかと言えばそのようなことはありません。特に私の目を引く、皆さんに知って欲しいと感じた一文があるので、引用します。

 「10億円の商品を10個作り、100億円を目指そう」と、この部分に強く惹かれました。事業規模がもっと小さな私は、利益額の設定は公表しませんが売上は早期に1億円を達成したいと考えています。
 それには1億円の一本柱ではなく、1000〜3000万円の事業を複数用意して1億円を目指そうと考えました。

 上記の思考が正しいのか?小規模事業なら1億円までは一本柱を強力に推進する方が効率的なのか?と疑問があるのは確かです。しかし3〜4千万円の事業は少人数で作るのは骨が折れます。それと比較して、1千万円程度なら簡単に狙いやすいので、高利益で小さな売上を複数立てる方が現実的ではないか?と感じた次第です。

 イノベーター理論
 上記の理論をご存知でしょうか。概要はこちらのサイトを御覧ください。面白い事が同書に載っています。CPOと呼ばれる「コスト・パー・オーダー」、お客様を一人獲得するのに必要な費用を考えるための有益な情報を下にまとめます。
 イノベーター2.5% 新しいものに挑戦する層
 アーリーアダプター13.5% 積極的に取り入れる層
 アーリーマジョリティ34% 流行に乗り遅れんとする層
 レイトマジョリティ34% 体制が決まってから動く層
 ラガード16% 伝統的な時間経過を経たものだけを取り入れる層

 何が面白いかと言えば、上から二番目までの層は新しい商品を前向きに取り入れますので、広告の費用対効果が高いようです。つまり零細企業においては革新的な製品なりサービスを開発したら、アーリーアダプターまでを標的にして行けば少ない費用で狙うだけの効果が得られるという算段です。
 逆に既存のサービスをありきたりな価格、手法で広告を打てば簡単にこちらを向いてもらえないため、非常に悪手だとわかります。

 まとめ
 この本を読んで感じるのは経営者は決算書を読めなければ、話にならないんだ。という点です。冒頭から決算書に関わる内容が出て来ます。3級簿記の初歩でも良いので学んでおくべきです。私もまだ学習中ですが、仕分けや勘定科目があやふやでも決算書の概要くらいは掴めれば、この本だけでなく世の中の決算書の根本が少しは垣間見れるので、有益です。
 経営者はどんぶり勘定でも良いから、勘定が必要です。ほとんどの場合はそれすらない無勘定(一般に言われるどんぶり勘定)ではないかと考えます。