税金に関する不勉強はご自身の事業の成長を妨げています。だから税理士任せにしないで、絶対に自分で学習をしなければなりません。
私は自分から進んで行う場合は「学習」と呼び、強制的に強制的に学ぶ場合は「勉強」と表します。
普段は自学自習しようと提案しているのですが、経営者ならば税金や財務に関しては勉強が必要です。そのため強い表現を用いる事にしました。
法人と個人事業では節税の範囲が違うので、今回は法人向けの話をします。
1 どのような教材で学ぶのか?
一番安価で確実なのは本です。Youtubeなど動画は?と疑問に感じる方もいらっしゃるはずですが、それも否定はしません。
順番としては動画から切っ掛けを得て、うっすらと、しかしある程度の知識量が溜まった段階で本へ移行するのがおすすめです。
その理由ですが、何もわからない状態で本を読んでもイマイチ頭に入らないからです。そのためしっかりと理解できなくても、動画で概要を掴むというか、税金にまつわる言葉などが当たり前に聞きなれてから本を読めば理解が深まりますし、動画の場合は車の運転中やお風呂など「ながら」で出来るのが良いと感じます。知らない分野を、それ打に集中するのは最初は辛いからです。
2 どの本を選べば良いのか?
写真にある「会社の節税をするならこの一冊」で確かに十分です。私も節税関連の本は10冊以上読んだのですが、そのどれも確かに役に立ちます。ですが読む量が増えれば間違いなく内容は重複してきます。その程度読んだ経験からこの一冊で十分と判断しました。たしかに他にも有益な本はありますが、同書は必要な情報が凝縮されています。
3 読まない方が良い本はあるのか?
私見ですが時間がもったいないので、読む必要のないと感じる本もあります。
したの本ですが、大村大次郎さんという方の本です。この著者の書籍は記憶にある限り3冊読みましたが、私には合いませんでした。なんといいますか「個人事業者や法人のための」ではなく「世間の持つ印象に合わせて上手に脚色している」エンタテイメントの本であり、事業主が実務の面で学ぼうとすると、ほとんど役に立ちません。
完全否定する気はありませんが、私としては、法人オーナーや事業主が税金を学ぼうとするなら不要と断言しておきます。

4 本は沢山読んだ方が良いのか?
読めるなら読んだ方が良いと思います。そう申しましても私は10冊を超える程度なので偉そうには言えませんが、多読しなければわからない事があります。動画を見ていて感じた疑問点も同様に多読で解消できました。
例えば、ある1〜2の情報で疑問に感じる部分を別の書籍では細かく解説している場合があります。
他にもどの書籍を読んでも載っている情報があり、それを見てゆけば普遍的にほとんどの方に当てはまる節税手法は十に満たないと知るはずです。
個別の事業に対して細々と見てゆけば、それは多岐に渡るのですが、重箱のすみをつついて時間を浪費するよりも、効果的な手法をいくつか組み合わせる方が時間効率(日常の手間)を考える場合に有益なのです。
5 効果の大きい節税策は限られている
4でも書いた部分と重複しますが、ほとんどの書籍や動画で紹介されている内容が重要かつ効果が大きいので、それを押さえておけば良いと思います。
税金に関する情報を入れたいならヒロ税理士さんという方の動画が有益です。この人は飛び技的な節税を紹介せずに、小規模事業者に有益な情報をしっかり紹介してくださるので、私もみ観ています。
6 節税は経費を使う事ではないと知る
当たり前、かつとても重要な事でありながら、勘違いが横行していると感じます。それは「節税のために何かしらの物品(サービス含む)を購入=利益を圧縮=節税」という図式です。これは完全な間違いです。
必要な品や設備投資があり、かつ利益が大きく、さらに手許資金が十分ならば、投資と節税を兼ねて経費を使うのは悪い事ではありません。
しかし世の中では少しの税金も払いたくないからと「ちょい黒」、つまり赤字にならない程度の利益をギリギリ残すように経費を使う傾向が見られます。実際私の周りでも税理士の助言に従い経費を使い、利益を圧縮する経営者がいます。
ですがこれでは手もと資金が残りません。もちろん売上を抜くなどの脱税により、手もと資金を残せますが、それでは表で使えないので困ります。だから現金を手元に残そうと考えるなら、税金は経費との考えを持ち真っ当に支払うしかないのです。
7 税理士の助言
たびたび耳にする言葉で税理士が「社長、利益が出ていますよ!節税するために何か買わないと」社長「そうか、それなら前々から欲しかった車(以外でも私欲の)を買ってしまおう」というのがあります。私としては一番言ってはいけない上に、とってはならない行動だと断言します。
何度も申し上げていますが、税金を払わなければ現金を残せません。利益が出た⇨税金を払わなければ⇨物またはサービスを購入する。そして利益が最小限になり節税=税金を払わないで済んだので安心。という思考の順序です。
本来利益は狙って出すものです。利益が出たなら税金を払って手もと資金を残しましょう。
8 自分で考えるしかない
「うちの税理士は優秀だから」という枕詞を何度耳にした事でしょうか。これは完全に思考停止状態で他人に判断を任せているのと同義です。
経営者ならば自分で考え判断して、税理士には助言を求めるのが筋としては正しはず。税理士さんの実態についてはこちらの動画を参照して下さい。
9 無知は罪
企業経営に限った話ではありませんが、それども特に経営者ならば無知による失敗や過失は許されない場合があります。例えば故意でなかったとしても、謝れば民事、刑事に問われ事もあります。そのためご自分の分野と経営全般、税制などの基本を押さえておくべきです。
私もこれまで税金の勉強を怠った事で、独立から20年で1000万円以上のお金を失っていと気づきました。お客様、従業員それに家族に迷惑をかけるので、トコトン考え学びましょう。
10 実践する
学んだら実践が大切です。耳学問では意味をなしませんので、簡単な事から少しづつ始めます。顧問税理士がいるなら、税金の支払い方や希望を伝えたり質問して、顧問料をしっかり回収する気概で活用して欲しいものです。
私自身も税制を学び、消費税の本則課税と簡易課税のどちらが有利か?等の疑問に感じた部分を何度か質問して、一番最適な手法を選択しています。
どうせこちらは無知な素人ですから、聴いて恥ずかしい事などありません。疑問点は解消した方が身のためです。
まとめ
役員社宅の家賃支払額は何%が適切なのか?国税庁のHPを見て疑問に感じた事がありました。顧問税理士に質問しても曖昧な回答であったので、国税庁に電話をして職員から明確な回答を得られました。
税理士と言えど、試験にどの項目を選ぶのか?で得意分野が違ってきます。ですから税金の疑問は原点に当たるのが一番。と考えれば国税庁に直接質問すれば、間違いのない回答を得られます。その回答を税理士に伝える事で自社にとって最も有利な申告が可能となります。
長くなりましたが、繰り返し申し上げている通り勉強する、実践する、税理士頼みにしない等の当たり前を実践してゆけば、お金の残せる経理が可能となるはずです。皆様が厭う気持ちも理解できますが、是非行動して下さい。