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「財務諸表の見方」と稲盛和夫さんの「実学」を読み、経営を真剣に考える

 日経文庫の「財務諸表の見方」を読みました。

読みやすく初心者の私でも読み進める事ができました。

 零細企業経営者には直接関係のない為替や連結決算などは読み飛ばし、重要な貸借対照表「BS」と損益計算書「PL」に的を絞り読んでみました。

 同書を購入するか否かの判断ですが、購入を強く推奨します。特に独立開業している方には有益です。また投資を考える際に決算書を読み解く能力を求める方にも役立つと感じました。

基本の基本となるのが貸借対照表です。通年の経営結果と言えます。

 リンクからBSの基本となる説明がありますので、全く知らない方は概要だけでもご覧ください。

 これまで個人事業時代を通じて17期ほど確定申告をしてきました。当初の白色申告から税理士さんを通して65万円控除の青色申告に切り替えてからすでに10年以上が経過しています。

 その間もあまりBSとPLに興味がなく精々、売上やある程度の経費を確認する程度で全く読み込む事はありませんでした。
 それがなぜ3級簿記や決算書に意識が向いたのかといえば、簡単な話です。それは「お金を得るには、お金の知識が必要である」との発想です。昨今ではYoutubeなどでお金に関する動画も多くなっています。それらに触発されて学ぼうと思い立ちました。

 私ももっと早く決算書か会計の重要性を認識していれば、売上、費用、利益だけでなく税金に対して敏感に反応できていたはずだし、その少しの投資を惜しんだばかりに20年近い商売において数千万円を失っていると思います。
 アマゾン創始者のジェフ・ベゾスさんは開業の地を辺境とも言える田舎を選んでいますが、その理由が税金が低く抑えられる点にあったといいます。

 氏はアマゾン設立前から税金(つまり経費)の認識を強く持っていたとの証左です。税金は経費の一種と捉えれば如何に低く抑えるかが重要で、それを抑えた余剰金が投資に回せるお金になるからです。

 同書は初心者にも意外と理解しやすいと思いました。3級簿記などの知識がなくとも、文字だけである程度は財務諸表を理解できるようになります。
 経営者ならば簿記を同時並行か、こちらの本から読むのを進めます。私は3級簿記を途中で投げ出したのですが、その最たる理由はどの勘定科目をどのように処理するのか?が現状の私には不要に感じたからです。それよりも全体の流れを把握できるように、BSとPLを読めるようになりたかった。それがこの「財務諸表の見方」は適しています。

 もちろん簿記が不要な訳もなく、その知識があれば尚良いと思いますい、将来また簿記3級の重要性を認識して資格取得へ動くかもしれません。ですが税理士事務所に記帳代行を依頼している身としては、先述のように感じています。

 当ブログの基本的な姿勢は財務・会計・税に関してあまりにも無知か方が多いので、それをどうにかして改善したいというのが最大の狙いです。もちろん私よりも詳しい方は多数いらっしゃいます。ですがこれまでに税金や資金繰りを少しでも学んだことのある方はどれほどいるでしょうか。

損益計算書は単年の通信簿と評されることが多い。

 私も同業他社へ行くことが多く、多数の方から話を聞きましたが大抵の方は「うちの税理士はよいから」で終わりです。その良いとはどこに基準があるのか?
 税理士さんの最大の仕事は支払う税の計算です。会社の財務状況やお金の使い方を指南してもらう助言者ではありませんし、もちろんコンサルタントでもない。かりのそうだとしても自分の会社やお金の使い道を決めるのは自分自身です。「税理士が節税のために〜を買った方が良いと助言してくれた」と戯言を吐いた知人がいます。これでは誰が経営者なのかさっぱりわかりません。
 現金を残すには嫌でも税金を払わなければなりません。今日も別のお店に顔をだした際に「うちの税理士は優秀だから、税金を払わないで済むようにしてくれる」と話す店主がおりました。
 つまりそれは会社にお金が残らないことを意味しています。そうでなければ経費か投資等の名目で資産が増えていることになります。そうだとしても流動資産でなければ急な出費に対応できませんから、なんともお粗末な経営だと感じました。

 ほんの少し前の自分がそうであったように、みなさん本当に経営に興味を持っていない。これでは商売が上手くゆくはずありません。ですからお金の出入り、値付け、経費の正しい使い方を真剣に考える必要があると思います。そこで稲盛和夫さんの「実学」が入り口としてはとても参考になります。「財務諸表の見方」と同時に読むのが理解を早めるとおもますので、今回は同時に2冊を紹介している次第です。

 会計と財務の違いが私には理解できませんでしたが、会計とは税計算や決算書などで公式に用いられる計算方法で、財務は自社がその状況を把握するために用いる実用的な手法を指します。稲盛さんはバナナの叩き売りのために購入した用品が資産なのか経費として落とせるのか?など事細かに考えていらっしゃいます。あれだけの大企業にするにはこれ程までに詰めに詰めるのかと、驚きました。

 この半年ほどはこれらの書籍を読み漁り、常にお金の学習を続けていますが、継続していると少しづつ理解ができますし、日々の業務にも取り入れ経費計上をする際にも、勘定科目が少しでも頭をよぎり、仕入れなのか備品なのかなどと考えるようになります。このように常に続けてゆけば、必ず良い結果を生み出すはずです。私も2〜3年前は薄利を悔しく感じていましたが今はかなり改善し、資金繰りが楽になりもちろん経営が楽しくなってきました。
 毎日会社へ行くのが楽しみだし、作業を早く終えて午後から喫茶店で学習し明日の予定を考え、このようにブログを書くのが本当にうれしく感じています。

 終わりに。
 企業は利益を出し続けなければ存続できませんし、研究開発もその原資は利益です。その利益を継続して産み続けるにはお金を学ばなければなりません。しかもその学習にかかる投資はかなり低額です。例えば書籍であれば100冊どころか10〜20冊も読めば税や財務の大枠は理解できるはずです。ですから、まだ税金や財務の学習を始めていない経営者や事業主の方には繰り返しですが、この分野の学習を強く推奨します。それが必ず自分のためになるし、事業の継続はお客様のためでもあります。