法人化して一体何が変わるのでしょうか?
結論から申し上げますと「実際は何も変わらない」です。
何も変わらないのですが、自分自身を変える必要はあります。一番変わったと感じるのは思考です。法人化は単なる契機に過ぎませんが、最近の私の思考を開陳します。
例えばこれまで社内で行っていた給与計算を顧問の社労士事務所に依頼する。もちろん各種社会保険の支払いが増えます。
顧問税理士も個人事業時代より若干ですが顧問料が上がります。
法人成りして見栄えというか体裁が整ったのはとても喜ばしいのですが、事務作業が増え煩雑になるため、一人法人ではないため裏方業務(最近ではバックヤード業務とか昔なら事務仕事と言いましょうか)も法律に沿った内容としなければ、営業を止められる可能性もあります。
そも、私は従業員を安く使いたくないし、当然搾取をする気もありませんから、大企業以上にホワイト企業を目指しています。
年間休日120日ほどで、勤務時間は6時間。土日祭日に年末年始と夏季休暇、有給を考えると月の平均稼働日数は19日程度となります。
勤務時間は6時間×5日×4週=月120時間の稼働時間でどれだけ利益を高められるかを考え実践しなければなりません。
経営とは何か?これまでも何度も考えてきましたが、最近その答えが見えてきました。経営とは極端に短くまとめれば「決める」です。
車の運転に例えると、目的地を決めどの道程を辿るのか。これが経営です。
決定した道を実際に進のが運営、またはマネジメントだと思います。これまでの私はこれを混同していました。経営を考えているつもりが運営を考えていたのです。この件は非常に重要だと思います。
社内運営に気を取られ過ぎて経営が疎かになっていたのがこれまでの当社です。つまり経営者不在で18年間も運営してきたのです。これで潰れなかったのはまさに幸運としか言いようがありません。
しかし倒産しなかった要因は運の他に事業立地が良かった事もあげられます。参入障壁の高い業界になんとか入り込めて、むしろ技術力は高い部類に居ます。
その技術力を武器に5年ほど前までは売り上げを伸ばし成長を続けられました。しかしある規模(売上)からは成長がピタリと止まったのです。この要因は経営者不在の方向性のない実態が一番大きな原因だったと自省します。
3年前までは父が健在である程度経営的な部分を担ってくれていたのですが、その父がいよいよ動けなくなってからはその場凌ぎで荒波に揉まれる手漕ぎボートのような状態でした。
それが今年に入ってからは、少しづつ向かうべき方向性が明確になり手漕ぎボートから小さなエンジンを備えたボートに進化できたと思います。
法人化を切っ掛けに責任を感じるようになり、技術だけでなくお金儲けをより深く考えるようになったのは、良い事だったと痛感しています。
まとめ
法人化で何かが変わるわけではないが、個人事業よりも責任が大きくなり、その重圧が自分を変える事もある。